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  • 【三村小松法律事務所 代表弁護士 対談 後編】
    「訴訟に強い法律事務所」の実現を目指して
    ——これまでの歩み


    【インタビュー/三村量一 弁護士・小松隼也 弁護士】

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    想定を超えて成長した事務所の背景

    ——設立から7年で事務所はどう成長してきたのですか?

    小松
    2019年の設立当初は所属弁護士4名でしたが、今は30名を超えています。もともとは20名程度を想定していましたが、思っていた以上に案件のニーズがありました。設立時と比べると、依頼者の数は30倍以上になっている実感があります。

    案件が増えると、書面のファーストドラフト(最初の起案)をつくるための弁護士の人手も必要になります。私たちと一緒に専門性を高め、留学や出向から戻ってきた経験弁護士が、それぞれの分野で第一人者になってきていますので、その弁護士がさらに後輩の弁護士と仕事をしていくことで、自然に所属弁護士や案件数が増えていくのだと思います。


    三村
    ただ、あまり事務所の所属弁護士が多くなりすぎると、お互いをよく知らないまま仕事をすることになりかねません。それは避けたいと思っています。どの弁護士が何をやりたくて、何が得意かを、全員が知ったうえで仕事をしたい。そのくらいの規模感を大切にしています。

    ——お二人で事務所を設立して良かったと感じることは何ですか?

    三村
    私は、二人でやって本当によかったと思っています。事務所の運営面を小松弁護士がしっかり担ってくれていますし、体力的にも若い人と一緒でなければ、ここまでの規模にするのはなかなか難しい。そこをうまくやってくれています。


    小松
    私が良かったと思うのは、三村弁護士と私で得意な分野が違うことです。三村弁護士は特許訴訟をはじめとした知財訴訟にとても強い、私はエンタメをはじめとした分野の契約交渉やビジネススキームの構築などを得意としています。それが結果的に、今の事務所の強みと特色になっています。さらに、三村弁護士がいてくれたおかげで、これだけ多くの経験豊富な元裁判官の方々が事務所に加わってくださったことも大きい。三村弁護士とは日々の事務所の運営で意見を言い合うことはありますが、意見が合わなかったことは一度もありません。

    事務所の風通しはとても良いです。若手弁護士のうちからものを言いやすい環境があり、若手弁護士がやりたい分野についても、「やってみたらいいじゃないか、事務所としてできることがあれば応援しよう」という雰囲気です。


    三村
    私は、客員教授として13年間、早稲田大学の法科大学院で教えていたので、若い人と一緒に学び、学食で一緒に食事をするようなことをしてきました。その延長で、教え子がそのまま当事務所に弁護士として参加してくれたケースもあります。裁判所の「同じ部屋」の話ともつながりますが、フラットにものが言える環境を大切にしています。

    ——この7年で、依頼される案件や法務のマーケットに変化はありましたか?

    三村
    特許の分野は、依頼者からご相談される法律論のレベルや案件の性質は、あまり変わっていないように感じます。ただ、医薬品のなかでもバイオ系の案件は以前はあまり多くはありませんでしたが、最近は増加しています。また、AIと著作権に関わる案件は、当然ながら新しく出てきたものです。こういったテクノロジーの進化と共に新しい分野の案件は今後もいろいろ出てくるでしょう。


    小松
    すごく増えたのは、国際的なエンタメ・コンテンツやクリエイティブに関する相談で、しかもビジネススキームも含めたご相談です。「そもそもどういうスキームで展開すればいいのか」「海外から話が来ているが、何を決めればいいのか分からない」という段階からご相談に乗るのは、三村小松法律事務所が得意にしているところで、主に経営者の方の口コミでご依頼が広がっています。

    海外企業から日本のコンテンツへのアクセスは以前からありましたが、そこに弁護士が入って一緒に条件を交渉する、という発想は、あまりなかったように思います。このあたりは実際に業界にいた弁護士が留学から戻ってきているので、三村小松法律事務所の得意分野と非常にフィットしています。ビジネス展開の相談から、予防法務や知財戦略まで一緒にスキームを組むことができるので、「まず海外の知的財産権を登録してから交渉を始めましょう」といったアドバイスもできますし、海外の権利の登録を三村小松法律事務所で担当したうえで交渉まで行うことが可能です。

    ——企業が弁護士に求める役割は、どう変わってきましたか?

    小松
    以前に比べると、「セカンドオピニオン(他の弁護士の見立てを、別の専門家に確認すること)」のご相談が、とても増えました。医者の世界と同じで、以前は「別の先生に聞くのは失礼だ」という空気もありましたが、それが薄れてきています。セカンドオピニオンで三村小松法律事務所の良さ、特に元裁判官の意見の有益性や、各専門分野の現場にいた弁護士のアドバイスのよさを感じていただけると、次からは最初にご相談いただけるようにもなります。

    もう一つは、いわば「丸抱え」で、法律論の相談だけではなく、ビジネススキームのアドバイスから交渉までしてほしい、というご相談です。これは私が以前から提供したかったことでもあります。訴訟になったらどうなるかが、かなりの確度で見通せるので、「最終的に裁判になればこうなります。だとすれば、このくらいのビジネス判断をしてもよいのではないでしょうか」というところまで踏み込んで提案できます。さらに、「これがうまくいかなければ次はこう」「その次はこう」という二の矢・三の矢まで示したうえで、その交渉まで代理することが価値になっていると感じます。


    三村
    ただし、リスクの取り方は依頼者企業の性格によります。中堅企業やスタートアップと大企業とでは違いますので、そこは踏まえてアドバイスします。

    特許訴訟では、無効審判(特許庁に、その特許を無効にしてもらうための手続)と侵害訴訟の使い分けも重要です。両方やった方がよいと安易に勧めるのではなく、特許庁と裁判所それぞれの判断傾向を踏まえ、メリット・デメリットを十分に考えたうえで、現実的なアドバイスをしています。

    これからの三村小松法律事務所が目指す姿

    ——今後さらに力を入れたい分野はありますか?

    三村
    特許訴訟は、現在のレベルを維持しながら、若い弁護士をもっと育てたいと思っています。日本では、本来は法的に裁判所で決着をつけるべき紛争が、泣き寝入りや、なあなあの妥協で裁判所に持ち込まれないことも少なくありません。紛争を増やしたいという意味ではなく、本来きちんと法的に解決すべきものは、適切に裁判手続にのせましょう、という意味です。


    小松
    私の方では、ご相談の案件数は多いものの、まだ専門チームというところまで弁護士の体制を構築しきれていない分野があります。一つは「建築」、とくにグローバルな設計に関するご相談です。もう一つは「食」で、シェフや職人の方が海外から声をかけられて海外展開する際の、ビジネススキームの構築から現地法人の設立、現地での店舗展開から権利保護までのサポートです。建築と食は相性がよく、一緒にご相談いただくことも多く、日本から海外も、海外から日本の案件も数が増えているので、事務所全体として力を入れたいところです。

    ほかに、ファッション・アートに加えて、デザインに関する領域、そしてスポーツにも取り組んでいきたいです。スポーツ選手に関しては、芸能に関するご相談の兼ね合いでご相談が増えていて、とくにグローバルに活躍する選手の契約交渉や権利保護に関するサポートを行っていきたいと考えています。

    ——今後どんな方に仲間として加わってほしいですか? 人材育成で大切にしていることはありますか?

    三村
    特許に興味がある人に、もっと入ってほしいですね。できれば、理工系の基礎知識がある、あるいはそういう分野が好きな人がよいと思います。多様なバックグラウンドの人が入ってくると、事務所内の議論も面白くなります。

    育成については、若手弁護士の作成した書面にはすべて目を通し、添削しています。私だけでなく、元裁判官の同僚が書面案をきちんと見て、議論をして、裁判期日にも一緒に行きます。これは、とても良い環境だと思います。


    小松
    三村小松法律事務所には、「産業や文化の現場を支える」という理念があります。ですから、好きなこと・やりたいことがはっきりしている人はいいなと思います。ただ、若いうちからそれがある方は珍しいので、一つに得意分野を絞る必要はありません。私自身、20代のころは好きなことが多すぎて絞れませんでしたし、今もやりたい分野が10ほどあります。むしろ「これしかやらない」と決め打ちするのは、もったいない。また、若手のころに刑事・医療過誤・離婚・交通事故まで幅広く案件を経験したことが、いまの幅広い分野での相談対応や交渉代理まで担うというスタイルにつながっています。

    加えて、目の前の案件の法律論を検討するだけに限らず、当事者意識を持って人と関われる人がいいなと思います。当事者以上に当事者意識を持てるような人が理想です。

    育成では、三村弁護士も言った通り、若手のうちは全ての成果物を先輩の弁護士がレビューすることを大切にしています。議論は必ず一緒に行い、若手の意見も取り入れて案件を進めます。さらに、若手・中堅の弁護士が自身のやりたい分野でセミナーをしたい、論文を書きたいというときには、事務所として全面的にバックアップします。記事の執筆も、留学や出向も、許可というより奨励という姿勢でいます。事務所主催のセミナーや勉強会も始めています。


    三村
    実際に、日本評論社から毎年出版される「年報知財法」について、事務所の弁護士の何人かが分担して論稿を執筆しており、特に新しく入った若手の弁護士には執筆を分担してもらうようにしています。学会や判例研究会等にも連れて行き、外で話す機会を増やしてあげたいと考えています。手を挙げる人が、もっと増えるといいですね。


    小松
    事務所の名前は三村小松ですが、「三村小松の弁護士」ではなく、それぞれが自分の名前で各分野の第一人者になっていってほしいと思っています。事務所の看板をうまく使いながら、その人自身の名前で仕事をしていけるように応援したい、と考えています。

    ——元裁判官や女性の弁護士の割合が高いですが、働き方や労働環境はどうなっていますか?

    三村
    元裁判官が多いのは、意図的にそうしたというより、結果としてそうなっています。労働環境については、女性弁護士も働きやすく、若手弁護士の定着率が高くなっているようで、良い状態です。


    小松
    働き方については、基本的にリモートワークが可能で、柔軟に働けます。若手のうちは事務所に来て、昼間は元裁判官に相談できる環境で学んでほしいと思っていますが、夜は基本的に事務所にいる必要はありません。誰かに気を使って残る、ということは一切ありません。事務所で仕事をしたい人は残って仕事をしていますが、それは個人の裁量です。

    私は前職の就業環境がハードだったこともあり、働きやすい体制を強く意識しています。もちろん急ぎの訴訟や案件のときは帰宅が遅くなることもありますが、全体としては、自分のやりたい分野の勉強をする時間や、その分野のプレイヤーの方々と会う時間を持てるようにしてほしいと思っています。ただし、案件の一つひとつのクオリティは高めてほしい、というのが前提です。

    産休・育休についても、各弁護士の裁量で取得しています。女性の割合が高いのも結果ではありますが、子育て世代が多いので、働きやすくするための提案は、事務所として難しくない範囲でその都度採り入れています。

    ——最後に、この記事をお読みの方へメッセージをお願いします。

    三村
    弁護士については、自分のやりたいことがある人には、ぜひ来てほしいと思います。私も、少なくともあと10年は現役を続けるつもりですが、学びたい先生がいるなら、その先生が現役のうちに、というのは大学でも法律事務所でも同じです。早めに来ていただくほうが、勉強のためにはよいでしょう。

    小松弁護士も言った通り、やりたいことを、事務所として全面的にバックアップしたいと思っています。元裁判官の弁護士をはじめ、周りをうまく頼りながら、当事者意識を持って頑張れる方と、一緒に働きたいです。


    小松
    依頼者の方に対しては、トラブルになる前になるべく早い段階からご相談いただきたい、というのは常套句ですが、トラブル発生後はもちろんのこと、セカンドオピニオン的なご相談やビジネス全体のスキームのご相談など、単なる法務の相談にとどまらず、ビジネス全体に関するご相談を遠慮なくお寄せいただければと考えています。


    法律相談のご案内

    「この訴訟は勝てるのか」「契約書のこの文言で問題ないか」——こうした疑問をお持ちの経営者・法務担当者の方は、ぜひ一度ご相談ください。

    三村小松法律事務所では、元裁判官の弁護士が、裁判所の視点を踏まえた見通しをお伝えします。訴訟に強い法律事務所として、紛争が起きる前の予防法務から、実際の訴訟対応まで、幅広くサポートいたします。知財はもちろん、会社法・行政・労働・相続といった多様な分野の紛争について、複数の元裁判官が一つのテーブルで検討し、多角的な助言を差し上げることが可能です。「勝てるかどうか」の見通しを早い段階で立てることは、無用な訴訟を避け、経営資源を守ることにもつながります。まずはお気軽にご相談ください。

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    プロフィール

    三村 量一(みむら りょういち)
    三村小松法律事務所 共同代表弁護士。裁判官として知的財産事件を中心に、民事通常事件、労働事件、破産事件、民事執行などの分野を担当し、最高裁判所調査官も経験。特許・商標・著作権をはじめとする知財分野全般に精通するほか、ドイツ留学およびドイツ語での特許論文発表など、国際的な特許訴訟実務にも通暁。2019年、小松隼也弁護士と共に三村小松法律事務所設立。弁護士としても最高裁判決に係る事件を複数経験しており、裁判官としての視点を活かした訴訟・紛争解決と、戦略的な訴訟構成を強みとする。


    小松 隼也(こまつ じゅんや)
    三村小松法律事務所 共同代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所にて企業間の紛争・訴訟を数多く経験の後、三村量一弁護士とともに独立。訴訟や刑事事件の他、エンタメ・芸能・音楽・漫画・アニメ・映画・ゲーム等のコンテンツ分野に加え、ファッション・アート・デザイン領域も広く担当し、知財戦略・予防法務からビジネススキームの構築までを一貫して支援。ファッションブランド「CFCL」役員、「ART WEEK TOKYO」立ち上げ理事など、業界の現場にも精通。

    ※上記は本記事作成時点の情報です。最新の経歴・実績は、事務所公式サイトの弁護士紹介ページをご確認ください。

    【2026.10.13】


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