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  • チームを見渡し、多彩な案件を支える
    “ジェネラリスト”弁護士という選択


    【インタビュー/藤村亜弥弁護士 】

    スタートアップ支援の法律事務所でキャリアを積んだ後、現在は三村小松法律事務所で企業法務や薬機法関連案件、各種訴訟、ハラスメントまで幅広い案件を担当する藤村亜弥弁護士。その実務スタイルには、学生時代に打ち込んだ体育会のマネージャー生活で培われた「全体を俯瞰する視点」が息づいています。
    幅広い分野の業務にジェネラリストとして向き合う藤村弁護士に、これまでの歩みと仕事への向き合い方について話を聞きました。


    マネージャー経験を通じて培った
    現在の実務スタイル

    ―子どものころから弁護士を目指していたのですか

    小学生の頃にはすでに「将来は宇宙飛行士か弁護士のどちらかになる!」と決めていました。
    当時、家に毛利衛さんとドラえもんが宇宙での暮らしを紹介する漫画本があって、大好きで何度も読み返していました。でも宇宙飛行士になるには理系の勉強をたくさんしないといけないということが分かり、当時算数が大の苦手だった私の宇宙飛行士の夢はそこで潰えました。
    弁護士は、家族や親戚に自営業が多かったので非常に身近な存在でした。特に祖父の会社の弁護士の先生とは家族ぐるみのお付き合いがあり、私もよく可愛がっていただいて、自然に憧れていったという感じですね。

    ―その後は弁護士になるために勉学一筋、という感じだったのですか

    第一志望の中高入学のため中学受験期には猛勉強しましたが、中学高校の6年間は勉強一筋というわけではなく、部活や学校行事などその時にしかできない時間を大切にしていました。

    大学でアメフト部に入部してからは、部活第一の大学生活が始まりました。司法試験を受験する前提で法学部に入っているので、司法試験のための勉強をするか悩みましたが、一つのことだけに集中して取り組めるのも大学生活が最後だと思い、入部を選びました。
    司法試験の受験資格を得るにはロースクールへ行くか予備試験に合格しないといけないのですが、1、2年生の頃から授業よりも部活という生活でしたし、ロースクールの受験の時期がちょうど大学アメフトのシーズンが佳境を迎える時期と重なっていたので、ストレートでのロースクール受験は全く考えていませんでした。
    どうせ卒業してから司法試験の勉強を始めるなら、ロースクールよりもその後のキャリア面で強みになると思い、予備試験を受けることにしました。

    ―アメフトのどのようなところに魅力を感じていたのですか

    私がアメフトの一番好きなところは、国立大学でも優勝できるスポーツだという点。
    多くの大学スポーツはスポーツ推薦のある私立大学が有利ですが、アメフトは戦術や分析が重要なので頭脳戦の要素が強く、大学になってから競技をはじめた人が多い国立大学も戦えるんです。
    少年漫画で育っているので、ジャイアントキリングが起こると盛り上がります。

    ―藤村先生は部活内ではどんな役割を担っていたのですか

    フィールド外で選手をサポートするマネージャー業務に加えて、試合に向けて練習メニューを考えたり、データを分析するなどのアナライジン的な業務もチャレンジさせてもらっていました。
    マネージャーはフィールドで戦えるわけではないですが、裏方として誰かのために自分のできることを考え、チーム全体を支えるという点では、今の働き方にも通じるものを感じます。
    クライアントやチームの誰かが最前線で力を発揮できるようその場その場で最適なサポートを行う。その姿勢は、アメフトを通じて強化されたと感じています。

    ジェネラリストとしての幅に
    専門性の軸を重ねて

    ―弁護士になってからはどのような案件に携わってきたのですか

    就職活動の時点では、専門にしたいという分野がまだ明確ではなかったんです。ただ、企業法務には興味があったので、最初はスタートアップ支援を中心に、幅広い業種や案件に関われる事務所に入りました。
    2年間、全力で案件に向き合ううちに次第に「もっと専門的な知見を深めたい」という気持ちが強くなってきたタイミングで声をかけていただいたのが三村小松法律事務所でした。
    三村小松法律事務所には、元裁判官や省庁の出向経験者、ファッション・エンターテインメント・クリエイティブ業界出身者など、それぞれの分野で高い専門性を持つ弁護士が多く在籍しています。第一人者の先生方から日常的に学べる環境は本当に貴重だと感じています。

    ―スペシャリストが多い三村小松事務所の中で、ご自身の立ち位置をどのように捉えていますか

    スペシャリストが多い事務所の中で私は「何でも屋」だと思っています。
    やりたいことが決まっている先生方の隣で、その先生方が専門外の案件を引き受ける。みんながそれぞれの専門性を発揮できるよう、全体をまわしていく。そういう役回りが合っているのかもしれません。

    一方で、最近はスペシャリストとして注力したい分野も見つかってきました。

    ―薬機法関連案件ですね。案件にも多く携わっていらっしゃると伺いました

    はい。薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)は、医薬品、医療機器、化粧品等などの製造から販売、流通、広告まで幅広い規制が定められた法律です。
    最も多い依頼は化粧品会社の広告のキャッチコピーや説明文のチェックですね。私たちの身体や生命の安全に直結する領域なので、表現ひとつひとつに細心の注意が求められます。
    例えば、「小ジワが消える」と書くと医薬品的な効能効果の標榜とみなされる一方、「乾燥による小ジワを目立たなくする」であれば問題ない。言葉のわずかなニュアンスで、規制の内外が変わってきます。
    難しいのは、コンプライアンスを守っている企業ほど、そのルールの中で戦わなければいけない一方で、守られていない広告も市場には存在していることです。
    せっかく良い商品を作っていても、表現次第で埋もれてしまうことがある。だからこそ、法令を守りながらも、できる限り訴求力を落とさない表現を一緒に考えていくことが重要だと思っています。

    また、医療機器分野では別の難しさがあります。
    特にプログラムの分野では、医療機器に該当するかどうかの判断が事業者にとって大きな岐路になることもあります。たとえば、歩き方を分析するアプリで「あなたの骨盤はこのような状態です」と診断すると、プログラム医療機器に該当する可能性があり、そうなると、審査や登録など、多くの手続きが必要になります。
    スタートアップにはその対応コストが大きな負担になるケースも少なくありません。そのため、プログラム医療機器に該当しないよう、文言や機能を慎重に調整していくこともあります。

    薬機法の分野は安全性が最優先なので、中身をきちんと理解していないと適切な助言ができません。事業者の方々と同じレベルまで技術を理解することは簡単ではありませんが、理解しようとする姿勢は常に大切にしています。

    ―最後に今後の展望を聞かせてください。

    メディカル分野、特に薬機法の専門性をさらに深めていきたいと考えています。
    その領域の企業に対して、知財・コーポレート・労務まで含めて幅広くサポートできるような、総合的な顧問弁護士に近づいていきたいです。
    また、宇宙に関わる仕事も、ライフワークとして続けていきたいと思っています。
    弁護士のみが所属できる宇宙関連団体や弁護士会の宇宙法委員会に参加していて、宇宙好きな人たちが法律面で宇宙事業を支えようとしている場所です。民間でロケット開発をしている会社や人工衛星を作っている会社との案件に接する機会もあります。
    宇宙飛行士にはなれませんでしたが、弁護士としてその分野に関われることは、素直に嬉しいです。


    プロフィール

    藤村 亜弥(ふじむら あや)
    弁護士法人GVA法律事務所を経て、2023年に三村小松法律事務所へ入所。
    薬機法、ビューティー・ヘルスケア、景品表示、企業法務、訴訟・労務案件などを幅広く取り扱う。

    【2026.7.3】


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